アフリカビジネスを考えるブログ

ひとまず養鶏場やってます。ガーナの食文化を豊かに。

誰のためのボランティア??アフリカに必要なものは古着などではない。

 

こんにちは。

アフリカに古着を送る。これって結構ボランティア的にはありなのかなと思っていました。というかそこまで真剣に考えたことはありませんでした。あげたら助かる人がいるならいいかーという軽い気持ちでした。でも古着を欲しいってアフリカ人から聞いたことありませんよね。それはむしろ、知らず知らずに貧困を深めているかもしれません。

f:id:Stevek:20161003230340j:plainしっかりした服を着てますな

 

アフリカ人はそもそも僕たちの古着をくれといっていない

 ここでいう古着はビンテージものという意味ではもちろんない。僕たちが着なくなって「いらなくなった」もののことをさして言っている。僕たちのお古をアフリカ人達は欲しいのだろうか。アフリカと言っても広い。本当の本当に貧困地域なら欲しいかもしれない。しかし冷静に考えればいらないというのではないだろうか。極論、逆の視点でアフリカ人のお古を僕たち日本人が着たいか、ということだ。答えは明確であると思う。彼らは着るものには困っていない。

 

アフリカ人の作る布、服のパターンは素晴らしい

彼らは自分達で素晴らしいパターンの布を織ることができるし、そこから服を作ることはできる。いままでそうしてきたのだから。そういう単純作業、ローテク技術はアフリカ人に向いていると聞いたことがある。少なくともガーナに関して言えば、欲しい、と思えるような素晴らしい柄のシャツをパートナーが着ていた。(買ってくればよかった)いずれにしても僕たちが着古した、センスも合わないかもしれない服をアフリカ人は必要としていないと思っている。 

 

ボランティアのつもりで、知らず知らずに雇用を奪っている

 広告をTシャツにプリントして収入を得ているアメリカ人起業家がいる。彼は古着のTシャツ100万枚を集めてアフリカに送るという事業を考えた。

「何かいいことをしようとしただけ」

と、彼は言った。しかし彼のもとに多くの活動家からインターネット上で抗議の嵐。あげるんだからいいじゃん、と思えるが単純ではない。なぜか。

 

サハラ以南のアフリカでは農業に次ぐ産業が繊維産業なのである

膨大な量のシャツが無料で溢れたらどうなるか。仕立て屋、服屋など、繊維産業で働く労働者の仕事がなくなってしまう。ナイジェリアでは1997年までは約13万人が繊維産業で働いていたのだがその6年後には5万7000人にまで激減。その大きな要因が寄付という善意で送られた衣服にある。マラウイモザンビークウガンダでも繊維メーカーが閉業したり、その寸前に追いやられている。

 

援助ではアフリカの問題は解決しない。じゃあ何が必要か。

独りよがりのボランティア、援助ではアフリカの問題を根本的に解決することはできない。むしろ彼らの成長を阻害してしまったというのが古着のケース。では何が必要か。

投資

である。投資により、彼ら自身でものを作ることができる体制整える。そして雇用を生む。そうすることによって労働人口が増え、経済が回りだす。依存ではなく、自立を促さなくてはならないのである。

 

 

いかがでしょうか。良かれと思ったことが裏目に出る。日常生活ではよくあることではありますがまさかボランティアでもあるとは。こないだガーナに行った際、長袖の服とかあげちゃったけどそこまで嬉しそうではなかったのはそのためか、と僕自身も戒めの気持ちが…反省。

 

 

僕自身、アフリカ、ガーナが豊かになればと微力ながら投資を続けている。彼らが本当に必要なものを一緒に作っていけるように頑張っていきたい、と改めて思いました!たった今電話でパートナーにこの思いを伝えたところです。

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今回は砂を運び入れている写真をなんとなく。これも雇用です!!笑

 

ありがとうございました!